この佳き日、内親王殿下の御誕生に対し奉り、寿ぎ申し上げます。



 皇太子ご夫妻に、待望の御子が御誕生あそばされた。
 男女の別には関わりなく、とにもかくにも元気な御子がお生まれになったことは何より喜ばしい。
 一昨年の暮れ、「プロフェッショナル」という言葉を曲解した一部マスコミによる悲しい性(さが)とも言うべき職業根性から、スクープ合戦の的とされた
雅子妃殿下の悲痛な御体験は、国民が等しく存じ上げるところである。
 それだけに、本日の
内親王殿下の御誕生は、国民等しく、安らかに奉祝の気持ちを抱かせるに十分な経緯を持っていたと言える。
 えひめ丸の事故、小泉政権の誕生と混乱、靖国参拝問題、アメリカ同時多発テロ、構造改革と不況の嵐・・・と、激動と停滞の平成13年ではあったが、本日テレビなどでうかがえる街の様子、国民に等しく浮かぶ安堵と慶賀の表情を見ると、さながら年の瀬に美しい大輪の花が開いたかのような明るさ・華やかさが日本中に広がっていくのを実感した。
 内親王殿下の御誕生ということで、またぞろ、下々の間では、早計な論議を始める者たちもいようが、妃殿下の御年齢をお考え申し上げれば、あまり軽々にそうした論議を始めるべきではない----今度の御誕生で、そう思う国民の数はますます増えることであろう。
 下々の世界では、「一姫二太郎」というのは縁起がよいとされている。
 本日御誕生された
内親王殿下につづき、日継皇子が御誕生あそばされる日もまた近いことを、この奉祝・慶賀の空気のなかで日本国民は確信したにちがいない。
 激動の年の暮れ、たとえ不況下にあとうとも、将来に向け、
「君が代は千代に八千代に・・・」
の言葉どおり、ゆるぎない日本の国づくりへの気概を、一人一人があらたにしていくことが何より肝要だと思われる。
 この佳き日、内親王殿下の御誕生に対し奉り、衷心より寿ぎ申し上げる。


   天皇陛下万歳



   平成13年(紀元2661年)12月1日

 




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